2万円台で失敗しない!「24インチ・144Hz」ゲーミングモニターの選び方と設定術

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「144Hzのはずが60Hz…」「24と24.5って何が違う?」「PS5で120Hzが出ない…」。
2万円台は選択肢が多く、ケーブル1本や設定1か所のミスで性能が眠りがちです。
本記事は、買う前に決める3点(フルHD/24〜24.5インチ/144Hz)と、正しい端子・設定の手順を“迷わず”実行できる形で整理します。
机の奥行・視線の高さ・VESA穴まで一気に確認して、開封5分でヌルヌル表示に仕上げましょう。

まず決める3点とサイズの考え方

最初に「解像度(フルHD)・サイズ(24〜24.5型)・リフレッシュレート(144Hz)」の3点を固定すると迷いが激減します。あとは“置けるか・見やすいか”を机と目線で確認するだけです。

  • 先に決める3点:フルHD/24〜24.5インチ/144Hz
  • 置けるか確認:机の奥行60〜70cm、目から画面まで60〜80cmを目安
  • 固定できたら、以降の配線・設定は“この前提”で進める

フルHD(1920×1080)×24〜24.5インチ×144Hzが“ちょうど良い”理由

フルHDは画面が軽く、エントリーPCでも144fpsを狙いやすいので、144Hzの“ぬるさ”を生かせます。24〜24.5型は視線移動が少なく、敵の動きやUIを一度に見渡しやすいサイズ帯です。さらに価格が2万円台に集中しており、コスパと入手性のバランスが高いのも利点です。結果、初めてでも“設定を頑張れば報われる”現実的な組み合わせになります。

細かさの目安
  • 24型:約92ppi(1インチ=約2.54cmあたりのドット数)
  • 24.5型:約90ppi

24と24.5インチの違い:実寸と視聴距離の目安

24.5型は24型より横に約1.2cm、高さに約0.7cm大きい程度(表示域の目安)。体感差は小さく、設置可否や好みで選べます。視聴距離は60〜80cmが見やすく、机が狭い場合は24型、ゆとりがあれば24.5型が扱いやすい傾向です。

サイズざっくり比較(16:9・表示部の目安)
  • 24型:横約53.1cm × 縦約29.9cm
  • 24.5型:横約54.3cm × 縦約30.6cm
  • 差分:横+約1.2cm/縦+約0.7cm

机の奥行・視線高さ・VESA穴の確認

置き場所の失敗は“前測り”で防げます。奥行60cm以上あるとキーボード前後の余裕が生まれ、目〜画面60〜80cmを確保しやすいです。視線は画面上端が目線〜少し下が疲れにくい基本。モニター裏のVESA 100×100ネジ穴の有無もチェックし、足りない高さはモニターアームで補う計画にしておくと安心です。

設置チェックリスト
  • 机奥行:60cm以上(理想は70cm)
  • 視聴距離:60〜80cm確保
  • 目線:画面上端が目線±0cm付近
  • VESA:100×100対応の有無/スタンドの高さ調整可否

端子とケーブルでつまずかない

まず“どの端子でつなぐか”を決めると、144/120Hzが一気に安定します。基本はPC→DisplayPort(DP)PS5→HDMI。つぎにケーブル規格、最後に本体側の設定を順に確認すると迷いません。

PCはDisplayPortで144Hzが安定/PS5はHDMIで120Hz

PCはDPだと1080p×144Hzが出やすく、相性問題も少なめです。ノートPCのHDMIが古い規格だと120/144Hzが出ないことがあります。PS5は映像出力がHDMIのみ。1080pなら120Hzまで狙えます(モニターとケーブルの対応が前提)。

目安
  • PC:DP 1.2以上推奨(1080p144Hzに十分)
  • PS5:HDMI 2.0以上が安心(同梱の“Ultra High Speed”も可)

ケーブル規格の目安と“付属DPケーブル”の価値

箱に同梱のDPケーブルは、そのモニターの想定条件でテストされていることが多く、まずはこれを使うのが安全策です。HDMIは名前が似ていて紛らわしいので、表示ロゴで見分けましょう。

買い直し回避のチェック
  • DP:1.2/1.4表記があればOK。怪しい無表示は避ける
  • HDMI“High Speed”(古い)より、“Premium High Speed(18Gbps)”以上が無難/PS5同梱は“Ultra High Speed(48Gbps)”
  • ケーブル長は1.5〜2m程度が安定しやすい

WindowsとPS5の設定手順:どこをどう変える?

Windows

設定 → システム → 画面 → 詳細表示設定 →「リフレッシュレート」から144Hzを選択。必要ならGPU設定も確認(NVIDIA/AMDのコントロールパネルで解像度1080p・リフレッシュ144Hz)。

PS5

設定 → 画面とビデオ → 映像出力 → 120Hz出力を自動/パフォーマンス優先をON。ゲーム内の120fpsモードも合わせて有効にします。

確認方法
  • Windowsの「詳細表示設定」に144Hzが出ているか
  • PS5の「映像出力情報」で1080p 120Hzが表示されるか

よくある罠:複数画面・古いHDMI・ゲーム内設定

副画面が60Hz固定だと、メイン側も巻き込まれて不安定になることがあります(検証時は1画面だけで確認)。古いHDMIケーブル安価な切替器は帯域不足でコマ落ちの原因に。さらにゲーム内のフレーム設定が60fps上限のままでは、外側で144/120Hzにしても効きません。

つまずき対策
  • ケーブルを短く・規格明記のものに交換
  • 単独接続で144/120Hzを確認
  • ゲーム内の120fps/パフォーマンスをONにする

パネルと“速さ”をカンタン理解

まずは「見え方」と「速さ」を分けて考えると整理しやすく、設定も迷いません。用語は“用途にどう効くか”で覚えます。

IPS/VA/TNの違い(色・黒・速さ)

IPSは色と視野角が安定し、斜めからでも見やすい万能型。VAは黒が深くコントラスト高めで映像作品向きですが、暗い色の切り替えが遅い個体だと“黒にじみ”を感じることがあります。TNは応答が速い代わりに色変化や視野角が狭めです。

  • FPS/音ゲー重視:IPS or TN
  • RPG/映画も楽しむ:VA or IPS
  • 店頭での見分け:横から見た色変化/黒の沈み方/残像の出方

応答速度・入力遅延・Overdriveの使い方

応答速度は“画素が色を変える速さ”、入力遅延は“操作から画面が反応するまで”。数字は小さいほど良いですが、公称「1ms」は最速条件の目安で、実プレイでは設定次第です。Overdrive(OD)は残像を減らす加速機能です。

  • 基本手順:ODをに→残像が強いならに→白い縁/二重像(逆残像)が出たら一段戻す
  • 遅延対策:ゲーム(低遅延)モードをON/不要な映像補正はOFF
  • 目安:WindowsのUFO Test等で文字のにじみ方を確認

MPRT/MBR(残像カット)の効き方と“暗くなる”理由

MPRT/MBRはバックライトを点滅させ、目に残る“持続ぶれ”を減らす方式。強くするほど暗くなり、フレームが安定しないとチラつきを感じます。多くの機種でVRRと同時使用不可(固定120/144Hzで使う想定)となります。

  • 使いどころ:明るい部屋安定した120/144fps
  • 設定のコツ:MPRT強度を→暗すぎたらへ/輝度を少し上げる
  • 注意:画面上下に**クロストーク(二重線)**が出る個体あり。気になればOFFに戻す

可変リフレッシュ(VRR)の基礎と効果

VRRは“ゲームの出せたフレーム数”に合わせて、モニターの描き直し回数を自動で同期します。結果、カクつき(スタッター)や画面のズレ(テアリング)が減り、視点移動がなめらかに。対応範囲(例:48–144Hz)の内側で効きます。範囲を下回るとLFC(低fpsを倍化して範囲に戻す仕組み)が働く機種もあります。

FreeSync/G-SYNC Compatible/Adaptive-Syncの関係

土台はVESAの規格Adaptive-Sync。その上で、AMDがFreeSync、NVIDIAがG-SYNC Compatibleという“適合検証”の名前を付けています。要は呼び名の違いで、やっていることはリフレッシュ同期。ロゴの違いよりも、対応範囲(最小〜最大Hz)低遅延モード併用の可否を確認しましょう。MBR/MPRTの残像削減とは多くの機種で同時使用不可です。

Windows/PS5でのVRRのオンと注意点

PC

手順
  • モニターOSDでFreeSync/Adaptive-Sync:ON
  • 144Hzに設定(Windows「詳細表示設定」)
  • AMD:Radeon設定→FreeSyncを有効/NVIDIA:コントロールパネル→G-SYNC(互換)を有効
筆者
筆者

上限付近だと効きが切れやすいので、フレーム制限を141–142fps程度にすると安定します。

PS5

手順
  • 設定→画面とビデオ→映像出力→VRR:自動
  • 必要に応じて「120Hz出力」「パフォーマンス優先」を有効
筆者
筆者

PS5のVRRは対応モニターのみとなります。1080p144HzでもVRR非対応の機種は多く、その場合は120Hzのみ利用可能です。

2万円台での“優先順位”と妥協点

限られた予算では、「勝ち筋」にお金を寄せるのがコスパの近道です。24/24.5型の2万円台は性能が拮抗しているので、基準を先に固定し、迷いを削ります。

優先:リフレッシュ&応答速度>パネル品質>スタンド>HDR

ゲーム体感へ直結するのは144Hz応答速度です。次点で色・視野角のパネル品質(IPS/VA/TN)。スタンドは“傾きだけ”でも遊べますが、高さ調整はあれば便利。HDRはこの価格帯だと明るさが足りず“おまけ”と考えるのが現実的です。

  • 優先の並び:144Hz/応答パネルスタンドHDR
  • 実用目安:OD中で逆残像が少ない個体を選ぶ/色は後からプロファイル調整で補える

首・肩対策:高さ不足はアームで解決(VESA 100×100)

多くの廉価スタンドは高さが足りません。画面上端が目線〜少し下になるよう合わせると、首が楽になります。背面にVESA 100×100のネジ穴があれば、モニターアームで即解決します。

手順
  • VESA有無を確認
  • 重さと対応サイズをアーム仕様で照合
  • 机の固定方式(クランプ/グロメット)を選ぶ

失敗しないチェックリスト

  • 144Hz表示がOSの設定で選べる記載がある
  • 応答速度の調整(Overdrive)が段階式
  • 入力端子:DP×1以上/PS5運用ならHDMIも確認
  • VRR表記(FreeSync/G-SYNC互換/Adaptive-Sync)の有無
  • VESA 100×100対応で、設置や高さ調整の逃げ道を確保
  • HDRは期待しすぎない(“対応”でも明るさは控えめ)
  • 付属DP/HDMIケーブルの有無と長さ、返品条件もチェック

開封後“5分で”快適にする初期設定

箱から出したら“モニター側→本体側→確認”の順で一気に整えます。まずは明るさと速さの土台を作り、あとで細部を詰めましょう。

モニター側:明るさ・色温度・Overdriveの目安

最初は“見やすさ重視”の保守設定に。暗すぎ・ギラつきは後から微調整します。

  • 明るさ70%前後/コントラスト初期値
  • 色温度:標準(6500K付近)/ガンマ2.2
  • Overdrive:(逆残像が出たら一段下げる)
  • MPRT/MBR:OFFで開始/シャープネス上げすぎない

PC/PS5側:解像度・リフレッシュ・ゲーム内プロファイル

Windows
 設定→システム→画面→詳細表示設定144Hzを選択(GPU設定でも1080p/144Hzを確認)。

PS5
 設定→画面とビデオ→映像出力→120Hz:自動パフォーマンス優先をON。ゲーム内の120fpsモードも有効化。

文字くっきり化&残像セルフチェック

日常用途は“文字の見やすさ”で体感が変わります。仕上げに動きの確認もしましょう。

  • スケーリング100〜125%ClearType有効(Windows)
  • Windows「詳細表示設定」で144Hz表示を再確認
  • PS5「映像出力情報」で1080p 120Hzを確認
  • UFO Test等で流し見→残像が気になればOD調整/必要ならMBRを弱で試す

よくある質問

Q
PCで144Hzが出ません。何から確認すればいい?
A

順番に原因をつぶすと解決しやすいです。

  • 端子:PCはDisplayPort接続が安定。ノートPCの古いHDMIは×。
  • ケーブルDP1.2/1.4表記のある短め(1.5〜2m)。怪しい無表記は交換。
  • Windows設定:「設定→システム→画面→詳細表示設定→144Hz」。
  • GPU設定:NVIDIA/AMDのパネルで1080p・144Hzを選ぶ。
  • 単独接続で検証:サブモニターや切替器を外して試す。
  • ゲーム側:60fps上限のままになっていないか確認(パフォーマンス重視)。
Q
PS5で120Hzが出ません。対処法は?
A

HDMIまわりと本体設定を合わせます。

  • ケーブル:PS5同梱のUltra High Speedか、Premium以上を使用。
  • モニター:1080pで120Hz対応かを取説やOSDで確認。
  • 設定:PS5「設定→画面とビデオ→映像出力→120Hz:自動」。
  • ゲーム:タイトル内の120fpsモード/パフォーマンス優先をON。
  • うまくいかない時はVRRをOFFにして再確認。
Q
24インチと24.5インチ、どっちを選ぶべき?
A

設置スペースと視聴距離で決めてOKです。

  • 24.5型は24型より横+約1.2cm/縦+約0.7cmほど大きいだけ。
  • 机奥行60cm未満なら24型が収まりやすい。60〜80cmの視聴距離が取れるなら体感差は小。
  • 迷ったら価格・在庫・保証条件で決めても失敗しにくいです。
Q
IPS/VA/TN、ゲーム用途のおすすめは?
A

優先する体験で選びます。

  • FPS・音ゲー:視野角と見やすさのIPSか、速度重視のTN
  • RPG・映画も:黒が深いVAか、万能のIPS
  • 店頭の見分け:斜めから見て色変化、暗部のにじみ、動きの残像
Q
FreeSyncとG-SYNC Compatibleはどっちが必要?
A

中身は同じ“VRR(可変リフレッシュ)”の仲間です。

  • 土台はAdaptive-Sync。ロゴ違いより**対応範囲(例:48–144Hz)**が重要。
  • NVIDIA環境でもG-SYNC互換としてFreeSync対応機が動く場合が多い。
  • 選ぶ時は「範囲が広い/低fps時のLFC対応」の表記をチェック。
Q
MPRT/MBR(残像カット)とVRRは同時に使える?
A

多くの機種で同時不可です。

  • 選び方:フレームが安定して出るならMBR、出たり出なかったりならVRR
  • 暗くなるのがMBRの弱点。まずはOFFで使い、必要な時に弱 or 中で試すのが安全。
Q
2万円台のHDRは意味ある?
A

“おまけ”と考えるのが現実的です。

  • 輝度やローカル調光が控えめで、劇的な差は出にくい価格帯。
  • SDR(通常表示)でガンマ2.2/色温度標準を整えた方が見やすいことが多い。
  • HDRを使う時は明るさとコントラストを軽く見直すと破綻を抑えやすいです。
Q
どんなケーブルを買えばいい? 付属品は使ってOK?
A

まずは付属DPケーブルを優先。次点で規格明記のものを。

  • DP1.2/1.4表記がある短め(1.5〜2m)。延長や分配器は避ける。
  • HDMIPremium High Speed(18Gbps)以上。PS5はUltra High Speed推奨。
  • 不調時の合言葉:「短く・太く・規格明記」。
Q
ノートPCで144Hzにしたい。HDMIでもいける?
A

機種次第。 HDMIが古いと60Hz止まりのことがあります。

  • 可能ならUSB-C(DP Alt Mode)→DPで接続。ドックは帯域不足に注意。
  • ノート側の設定で外部のみ表示にすると安定する場合あり。
  • まずは1080p・120Hzが出るか試し、いけたら144Hzへ。
Q
複数モニター環境でも144Hzを維持するコツは?
A

“1台ずつ最適化→同時運用”が鉄則です。

  • 検証は144Hzの1台のみを接続して成功させる。
  • その後、サブを拡張表示で追加(複製は混乱のもと)。
  • Windows「詳細表示設定」で各画面ごとにリフレッシュレートを設定。
  • カーソル移動時にカクつく時は、ゲームはメイン全画面/サブは静止表示に。
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