この記事でわかること
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無料/有料アプリの本質的な違い(学習設計・データ可視化・サポート体制)
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料金相場の目安と見落としがちな費用(端末・専用タブレット・オプション)
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代表的アプリの位置づけと特徴(無料:NHK for School、Viscuit、eboard/有料:進研ゼミ・スマイルゼミ・Z会・スタディサプリ・RISU など)
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家庭での併用プランと「無料→有料」に切り替える判断基準
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年齢別の最短導入ステップ・1週間お試し運用テンプレ
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失敗回避のチェックリストとよくある質問
はじめに|“料金の安さ”ではなく“学びの設計”で比べましょう
私は、タブレット学習を**「習慣化 × 可視化 × 作品・到達点」で評価しています。無料は気軽さ、有料は学習データの見える化、カリキュラムの連続性、保護者ダッシュボード**に強みが出やすいです。どちらが“正義”ではなく、目的に応じて併用するのが最もコスパが良いと感じます。
結論
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基礎の入口や興味の芽出し:無料で十分(授業動画/反復ドリル/創作ツール)。例:
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NHK for School(学年・教科別に約1万本の学習動画を公式アプリで視聴可能)。
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Viscuit(ビスケット)(ブラウザでも使える無料のビジュアルプログラミング)。
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eboard(イーボード)(NPOが提供、5教科の動画とデジタルドリル)。
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弱点補強・到達点の管理:有料が有利(学習ログ、アダプティブ、到達カリキュラム)
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スタディサプリ:月額2,178円で映像授業見放題、保護者向け「まなレポ」あり。
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Z会 小学生タブレットコース:例・小3 8,800円/月(毎月払い)。教科横断の探究も。
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進研ゼミ(チャレンジタッチ):学年別の月額設定(小3毎月払い5,320円など)。
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スマイルゼミ:学年・支払いにより変動+専用タブレット代9,980円。
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RISU算数:年額基本料35,376円+利用料0〜8,778円/月の二部料金制。
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価格・仕様は校種・学年・支払い方法・キャンペーンで変動します。必ず公式で最終確認してください。
5分でわかる|無料vs有料 早見表
観点 | 無料アプリ | 有料アプリ |
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学習設計 | 単発型・汎用教材が中心。導入しやすい | カリキュラム連続性と進度設計が手厚い |
可視化・データ | 学習履歴は限定的 | 苦手分析・到達管理・保護者ダッシュボードが充実 |
モチベ設計 | ゲーミフィケーション・動画視聴 | 目標→講座→到達点→ふりかえりのループを設計 |
コンテンツ品質 | 公的/学術系・コミュニティ産も多い | 教材開発コストが反映。学年準拠・検定対応も |
コスト | 0円(広告/機能制限ありの場合も) | 月額/年額+専用タブレット/オプション費用 |
向き | 興味喚起・補助教材・自主探究 | 弱点補強・定着・受験/検定・親の見守り |
料金相場と“見落としがち費用”
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動画見放題系:2,000円前後/月(例:スタディサプリ月額2,178円)。
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教科横断・通信教育:学年により3,000〜7,000円台/月(例:進研ゼミ小3毎月払い5,320円、Z会小3毎月払い8,800円)。
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専用タブレット代:初期一括等(例:スマイルゼミ9,980円)。
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アダプティブ特化:年額+従量(例:RISU 年額35,376円+利用料0〜8,778円/月)。
端末代・冊子テキスト・英会話オプション・検定受験料など、周辺費用も家計に入れておくと安心です。
代表的な無料アプリ/サービス
NHK for School(公式アプリ)
何ができる:国語・算数・理科・社会・英語・音楽・図工ほか、学年・教科別の学習動画を無料で視聴でき、キーワード検索やプレイリスト機能が使えます。家庭学習の導入・探究の素材に最適です。
Viscuit(ビスケット)
何ができる:ブラウザでも動く無料のビジュアルプログラミング。絵を描いて「めがね」の仕組みで動かす感覚的な学びから、作品づくりへつなげられます。
eboard(イーボード)
何ができる:NPOが提供する無料のICT教材。小中5教科の短い動画+デジタルドリルで基礎を固められ、家庭学習や学び直しの“土台”に向きます。
無料は導入が易しい一方、学習データの可視化・保護者向け機能・体系的カリキュラムは限定的なことが多いです。必要なら有料で補強しましょう。
代表的な有料サービス
スタディサプリ(小学講座)
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強み:定額で映像授業が見放題、まなレポで学習記録を保護者側から確認可。
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料金:毎月払い2,178円/月、12か月一括は月あたり1,815円。初期費用なし。
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向き:教科の要点理解と復習。他サービスのドリル系と併用が相性◎。
Z会 小学生タブレットコース
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強み:教科横断で深い思考・探究、添削や良質な課題設計。
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料金例:小3 8,800円/月(毎月払い)、一括割引あり(年度・学年で異なる)。
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向き:質にこだわる・探究も含めて学びたい。
進研ゼミ(チャレンジタッチ)
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強み:学校準拠、紙×デジタル連動、生活習慣まで意識した設計。
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料金例:学年・支払い方法で変動(例:小3 毎月払い5,320円)。
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向き:学校ペースと家庭学習の橋渡しをしたい。
スマイルゼミ(小学生コース)
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強み:専用タブレット前提で学習設計がシンプル、見守り機能もわかりやすい。
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補足費用:専用タブレット代 9,980円(条件あり)、有償サポート等も提供。
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向き:操作の統一感と保護者管理のしやすさを重視。
RISU算数
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強み:無学年×アダプティブで算数を適応型出題。
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料金:年額基本料35,376円+月の利用量に応じた0〜8,778円(従量)。仕組みを理解して運用すると効果的。
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向き:算数の先取り・苦手克服を綿密に進めたい。
比較の軸|“価格以外”で見落とせないポイント
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学習設計(カリキュラムの連続性)
無料は単発・テーマ学習が中心、有料は到達点→復習→小テストのループが設計されがち。 -
アダプティブ(自動で“ちょうど良い”を出題)
アプリにより質が大きく異なります。RISUのように学習量で出題が変化する設計は応用が利きます。 -
学習ログと保護者ダッシュボード
例:スタディサプリのまなレポ(保護者向け進捗)。 -
機器要件/環境
専用タブレット制(スマイルゼミ)かBYOD(手持ち端末)か。専用は安定、BYODは柔軟。 -
追加費用
オプション英語・冊子テキスト・検定料など。例:スタディサプリ冊子テキストは1冊1,320円。 -
広告・課金動線
無料プランは広告や機能制限が入ることも。集中を乱す要因にならないよう設定と環境で抑制を。
代表アプリの位置づけ
目的 | 無料で着手 | 有料で伸ばす |
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調べる/興味を広げる | NHK for School(教科動画) | Z会(探究)・進研ゼミ(学校準拠の定着) |
基礎の反復 | eboard(短尺動画+ドリル) | スマイルゼミ(専用タブ+日次回し)・スタサプ(授業理解) |
論理/表現 | Viscuit(無料制作) | Z会/進研ゼミの制作・発表機会で可視化 |
算数の先取り・克服 | — | RISU(アダプティブ) |
無料→有料に切り替える基準
家庭での併用プラン(例:小3・週75分)
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月/水:スタディサプリ 15分(授業理解)→ eboard 10分(練習)
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金:NHK for School 15分(興味拡張)→ 感想1行記録
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土:Viscuit 25分(作品づくり)
算数の弱点が明確なら、RISUを1〜2か月だけ導入して集中的に“穴埋め→先取り”してから、定額系に戻す運用もアリです。
5サービス比較表
サービス | 方式 | 料金の目安 | 強み/備考 |
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スタディサプリ | 映像授業見放題 | 2,178円/月(年一括で1,815円/月)|初期費用なし | 低価格で範囲広い。保護者まなレポ。 |
Z会 小学生タブレット | 通信教育 | 8,800円/月(小3毎月払い・例) | 良質課題と探究。一括割あり。 |
進研ゼミ(チャレンジタッチ) | 通信教育 | 学年別(例:小35,320円/月) | 学校準拠・紙デジ連携。 |
スマイルゼミ | 通信教育(専用端末) | 月額は学年・払込で変動+端末9,980円 | 見守り機能・統一UI。 |
RISU算数 | アダプティブ/従量 | 年額35,376円+0〜8,778円/月 | 算数特化・先取り/復習を自動最適化。 |
1週間お試し運用テンプレ
よくある失敗と回避策
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アプリの“ハシゴ”で分散:→ 1用途1アプリ。月末に“使わなかったアプリ”は整理。
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目標なき視聴:→ 毎週発表/提出を設置(1スライドでもOK)。
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料金だけで選ぶ:→ 到達点・ダッシュボード・復習設計を優先。
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専用端末の費用見落とし:→ 端末代(例:スマイルゼミ9,980円)・サポート費も試算。
ケース別おすすめ併用レシピ
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“まずは無料で土台づくり”:
NHK for School(興味喚起)+eboard(反復)+Viscuit(表現)。 -
“通信教育は軽め+動画で補強”:
進研ゼミ or スマイルゼミ + スタサプ(理解)で往復。 -
“算数だけ徹底”:
RISUで2か月集中的に穴埋め→普段は無料/定額に戻す。
データと安全の基本
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子ども用アカウントで運用、位置情報や写真の共有範囲を家族で合意。
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無料プランは広告・通知が入りやすい。学習用SSID・時間帯固定・通知OFFで環境を作る。
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月1回のアップデート・バックアップ・権限点検でトラブルを防ぐ。
FAQ|よくある質問
Q1. 無料アプリだけで十分?
→ 習慣づけには十分。ただし受験や体系的な学習には有料を併用する方が安心。
Q2. 有料は高いけど価値はある?
→ サポートや進捗管理があるので、親の負担が減り、結果的に価値は高い。
Q3. 何歳から始めるのがいい?
→ 年長〜小1くらいがおすすめ。遊び感覚で取り入れると習慣化しやすい。
Q4. 兄弟で使える?
→ 無料はシェア可能。有料は一人一契約が基本だが、兄弟割やキャンペーンあり。
Q5. ゲームやYouTubeばかり見ちゃわない?
→ 時間制限や利用ルールを最初に決めるのが大事。制限機能を活用しよう。
Q6. 紙の教材と比べてどう?
→ 紙は「書く力」に強い。有料タブレットは「継続と可視化」に強い。両方を組み合わせる家庭も多い。
Q7. タブレット学習は目に悪い?
→ 長時間連続は避ける。ブルーライトカットや時間制限機能を使えば安心。
内部リンク(関連の深掘り)


出典・参考(主要な一次情報)
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NHK for School 公式アプリ(iOS/Androidの説明に学習動画・検索・プレイリストの記載)。
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Viscuit 公式(Web版で使える無料のビジュアルプログラミング)。
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eboard 公式(NPOの無料ICT教材、5教科の動画/ドリル)。
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スタディサプリ 小学講座 料金(月額2,178円、年一括1,815円/月、初期費用なし)。
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Z会 小学生タブレットコース 料金(2025年度)(小3 毎月払い8,800円の例)。
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進研ゼミ(チャレンジ/チャレンジタッチ)受講費(学年別の月額例:小3 5,320円/毎月払い)。
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スマイルゼミ 会費ページ(専用タブレット代9,980円の記載、サポート等)。
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RISU算数 料金詳細(公式)+新料金の解説(年額基本料35,376円+利用料0〜8,778円/月)。
まとめ|“無料で回し、有料で締める”
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無料で興味と習慣をつくり、
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有料でデータ可視化と到達点を設計、
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目的達成後は再び無料/低コスト運用に戻す。
この往復が、家庭の学びを長く・楽に・賢く続ける近道です。
次は、実際に2サービスを1週間試し、家族でふりかえりをしてみてください。数字(学習時間・連続日数)と子どもの表情が、ベストな組み合わせを教えてくれます。