この記事を読むとわかること
このブログ記事では、40代までに4回転職してきたITエンジニアのリアルなキャリア体験を紹介します。
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転職ごとの失敗と成功から得た学び
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SIerと事業会社、それぞれで働くメリット・デメリット
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市場価値を意識したキャリアの築き方
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40代でも通用するスキル戦略
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「手を動かすマネージャー」としての強みの出し方
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転職エージェントを賢く使う方法
この記事を読み終えるころには、あなた自身がキャリアを選ぶときの判断軸が整理され、「やりたいこと × 収入 × 市場価値」をどうバランスさせるかの具体的なヒントを得られます。
はじめに
「40代からの転職は難しい」「SIerから事業会社に移るのはハードルが高い」――そんな声をよく耳にします。
しかし、私は22歳で社会人をスタートしてから、これまでに4回の転職を経験し、現在は通信キャリアのIT部門でシステム開発とAIのR&Dを担当しています。
入社時年収400万円から始まり、今は年収1,050万円まで到達しました。決して順風満帆ではなく、迷いや後悔もありましたが、その経験から学んだことをまとめることで、これから転職を考えるエンジニアの方に役立つはずです。
この記事では、私のキャリアの歩みを振り返りつつ、転職で大切にすべきポイント、SIerと事業会社の違い、40代からのキャリア戦略について掘り下げます。
キャリアサマリー
会社 | 年齢 | 仕事内容 | 年収(入社→退職) | 退職理由 |
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1社目: メーカー系子会社SIer | 22-28 | 設計以降の工程担当 | 400万→550万 | 下請け体質が嫌で退職 |
2社目: 商社系SIer | 28-30 | ベンダ管理(プライムだが丸投げ感) | 600万→650万 | 仕事がつまらず退職 |
3社目: メーカー系SIer | 30-38 | 要件定義〜全工程(手を動かすプライム) | 650万→750万 | 事業会社に興味 |
4社目: 飲食チェーンIT部門 | 38-40 | システム開発、IoT/AI PoC | 750万→800万 | コロナで収入減 |
5社目: 通信キャリアIT部門 | 40-現在 | システム開発、AI業務改善R&D | 900万→1050万 | — |
各社での経験と学び
1社目:メーカー系子会社SIer(22歳〜28歳)
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学び: 基礎的な設計・開発スキル、プロジェクトの流れ
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苦しさ: 顧客と直接関わらないもどかしさ
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退職理由: 下請け体質から脱したい
2社目:商社系SIer(28歳〜30歳)
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学び: ベンダー交渉、契約管理
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苦しさ: 技術を自分で磨けない
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退職理由: 丸投げ体質への違和感
3社目:メーカー系SIer(30歳〜38歳)
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学び: 顧客折衝、要件定義〜開発全般、チームマネジメント
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成果: 年収650万→750万
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退職理由: 事業会社で働いてみたい
4社目:飲食チェーンIT部門(38歳〜40歳)
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学び: ITが事業に直結する感覚、新技術の実装経験
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退職理由: コロナで収益減 → 安定性を求めて転職
5社目:通信キャリアIT部門(40歳〜現在)
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学び: 安定と先端技術の両立、AIによる業務改善
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成果: 現在年収1,050万円
転職で学んだこと(実用的Tips)
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転職理由はポジティブ変換
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年収と仕事内容のバランスを取る
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SIerと事業会社の違いを理解する
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40代でも「マネジメント+実務スキル」で勝負できる
市場価値を意識してキャリアを積む
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市場価値=「自分を採用したい企業がどれだけあるか」
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意識するメリット: 判断基準が明確になる、交渉力が増す、学び続けられる
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高め方: スキルの見える化、成果を数値で示す、需要領域を学ぶ、求人市場を定期チェック
実感:
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3社目で一気通貫の経験を積んだ → 市場価値大幅アップ
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2社目の「管理だけ」→ 市場価値が下がるリスクを痛感
手を動かすマネージャーの価値
なぜ大事か
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技術の最新動向を掴める
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部下からの信頼が厚い
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市場価値が高まる
比較表
項目 | 手を動かすマネージャー | 管理だけのマネージャー |
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技術力 | 現場で最新技術をキャッチアップできる | 技術から離れ、知識が陳腐化しやすい |
部下からの信頼 | 「一緒に戦える上司」として信頼されやすい | 「わかってくれない管理者」と思われがち |
市場価値 | マネジメント+実務スキルで希少価値が高い | 管理職ポストが減ると代替されやすい |
成長機会 | 実務で挑戦できる | 成長機会が限定的 |
キャリアの柔軟性 | 技術職・管理職どちらも可能 | 管理職以外に戻りにくい |
転職エージェントは絶対に使うべき
私は4回の転職すべてで、転職エージェントを活用しました。結果としてこれが大正解でした。
なぜ使うべきか
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非公開求人にアクセスできる
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自分の市場価値を客観的に把握できる
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書類添削や面接対策など、一人ではできない準備をサポートしてもらえる
見栄を張らないこと
転職エージェントには絶対に見栄を張らないほうがいいです。
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「できるふり」をしても、後でミスマッチを起こすだけ
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正直にキャリアの穴や弱みを話すことで、最適な求人を紹介してもらえる
使い倒すくらいがちょうどいい
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複数社のエージェントを併用して情報を集める
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合わない担当者は変えてもらう
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提案された求人を鵜呑みにせず、自分でも吟味する
エージェントは受け身で使うのではなく、「自分のキャリアを最大化する道具」として使い倒すことが大切です。
ITエンジニア転職市場の現状(2025年)
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DX需要でAI・クラウド人材が不足
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SIer経験者の事業会社転職は増加
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40代でも「専門性+マネジメント」で十分戦える
まとめ
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転職は「逃げ」ではなく「市場価値を高める選択」
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やりたいこと・収入・市場価値を三軸で考える
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40代でもキャリアは伸ばせる
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転職エージェントは「頼る」より「使い倒す」
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キャリアは積み木ではなくレゴブロック。市場価値を意識して積み直せば未来は広がる。