最短ルート=「いまの自分に合う試験を1回で通す」。
この記事は、試験の“最新体系”と“数字”に基づいて、迷いを最小化するための実践ガイドです。
まず結論(進路フローチャート)
- 英語で受験できる → 最新版のLTSを狙う:
- 最有力:OCP Java SE 21(1Z0-830)
- 実務の王道:OCP Java SE 17(1Z0-829)
- 英語に強くない/11教材が手元にある → **OCP Java SE 11(1Z0-819)**で“受け切る”のも合理的
- 旧JPN(日本語ローカル)のGold/Silverはレガシー。新規では基本非推奨(メンテが止まり、情報が古い)
試験比較(要点だけ)
試験 | Javaバージョン | 試験コード | 問題数 | 時間 | 合格ライン | 時間/1問の目安 | 一言メモ |
---|---|---|---|---|---|---|---|
OCP Java SE 21 | 21 | 1Z0-830 | 50問 | 120分 | 68% | 約2.4分 | 最新LTS/新構文やAPIまで幅広く出題。時間には余裕があるが問題は深め |
OCP Java SE 17 | 17 | 1Z0-829 | 50問 | 90分 | 68% | 約1.8分 | 実務普及率が高い安定路線。時間管理が鍵 |
OCP Java SE 11 | 11 | 1Z0-819 | 50問 | 90分 | 68% | 約1.8分 | 既存教材の再利用で“最短”になりやすい |
(参考・旧)Java SE 11 Gold JPN | 11 | 1Z0-816-JPN | 80問 | 180分 | 63% | 約2.25分 | 旧体系。新規受験の旨味は薄い |
目安:68%=50問中34問正解で合格。
なぜ21 or 17が“最短”になりやすい?
- 求人・現場のLTS主流:17→21の順で採用が進む。履歴書での訴求力が高い
- 試験回数が1回:11/17/21はいずれも1試験完結(旧JPNの二段構えではない)
- 教材・模試の充実:商用模試が豊富で“合格ラインから逆算”しやすい
出題のコア(21/17/11で重なる地帯)
- 言語基礎:型・スコープ・クラス設計・継承/ポリモーフィズム・ equals/hashCode/compareTo
- 関数型:ラムダ、メソッド参照、Stream(中間/終端、並列、Collector)
- 例外処理:try-with-resources、例外階層、Checked/Unchecked
- API群:Collections/Generics、java.time、I/O/NIO.2、正規表現、ResourceBundle ローカリゼーション
- モジュール(Java Platform Module System)
- 並行処理:スレッド、Executor、同期、atomic/Locks
21ではモダン構文(例:パターンマッチング系)や追加APIが強化される傾向。17はより“古典+モジュール+Stream深掘り”寄り。
6週間“一本路線”学習プラン(働きながら想定)
目標:最終週の模試で**安定して75%**を超えたら本番へ。
Week 1:
- 言語基礎(クラス設計、継承、抽象/インターフェース、レコードの有無は受験バージョンに合わせて)
- 章末演習→要点ノート化(誤答は“なぜ”まで言語化)
Week 2:
- GenericsとCollections(Comparable/Comparator、Collectors実戦)
- 小テスト→誤答にタグ付け(例:
G-PECS
、C-HashMap-ordering
)
Week 3:
- 例外/I/O/NIO.2(Path/Files、walk、属性)
- 90分模試#1(17/11)または120分模試#1(21)→復習ループ
Week 4:
- 日付時刻API/ローカリゼーション/正規表現
- Stream総合演習(stateful中間操作や short-circuit の挙動を図で)
Week 5:
- 並行処理(スレッド/Executor/同期/atomic/Locks)
- モジュール(requires/exports、 services)
- 模試#2,#3:70%→弱点ドリル(タグ別にやり直し)
Week 6:
- 総合模試#4,#5:目標75–80%
- 仕上げ暗記:APIメソッド一覧、例外種別、モジュール記述
- 直前48時間は軽め(睡眠>勉強)
試験当日の“時短”戦略
- 3分割法(90分試験の場合の例):
- 0–45分:易〜中問を一気に拾う(目安30問)
- 45–75分:中〜難問に腰を据える
- 75–90分:フラグ見直し(計算/読解系)
- 捨て判断:コード長>30行 or 罠臭が強い問題は20秒で保留→後回し
- 合格逆算:34/50で良い。満点は不要。時間が溶ける“重問”に執着しない
学習教材リスト(2025年版)
迷ったら「公式(無料) → 書籍1冊 → Enthuware模試」の三点セットで十分。下は試験コード別に使えるものだけを厳選。
公式(無料)
- 試験ページ:Java 21 1Z0-830/Java 17 1Z0-829/Java 11 1Z0-819
- 学習パス:Oracle MyLearn/dev.java(言語基礎・Collections・Stream API・I/O)
- 仕様と変更点:JDK公式Java言語アップデート/JEP(例:JEP 441 Pattern Matching for switch)
書籍(英語・試験直結)
- OCP Java SE 21 Developer Study Guide(1Z0-830)/Sybex(Selikoff & Boyarsky)
- OCP Java 17 & 21 Programmer Certification Fundamentals(1Z0-829/1Z0-830)/Hanumant Deshmukh
※章内クイズ中心。フル模試は付かないため、下記Enthuwareで補完 - OCP Java SE 17 Developer Study Guide(1Z0-829)/Sybex
- OCP Java SE 17 Developer Practice Tests(1Z0-829)/Sybex
- OCP Java SE 11 Developer Complete Study Guide(1Z0-819/1Z0-817)/Sybex
- OCP Java SE 11 Developer Practice Tests(1Z0-819/1Z0-817)/Sybex
模試(必携)
- Enthuware JD+ V21(1Z0-830):20回前後/1200+問
- Enthuware JD+ V17(1Z0-829):20回/1200+問
- Enthuware JD+ V11(1Z0-819):20回/1000+問
使い方:テスト→弱点タグ化→解説精読→再テストのループ。平均65%→本番70%超を合図に受験。
動画講座(補助)
- Pearson/O’Reilly:Java SE 21 1Z0-830 Cert Prep(動画)
- Udemy:Java SE 21 1Z0-830向けコース(例:Andrii Piatakha)
- O’Reilly動画:Java SE 17 1Z0-829(21時間+)
- Coursera(Pearson):Java SE 17 1Z0-829 Specialization
無料ドキュメント(弱点潰し)
- dev.java:Stream API連載、言語基礎、I/O
- Oracle Java Tutorials(download.oracle.com)
- Java Language Changes(JDK 21)/JEP 441
日本語書籍は旧JPN(Silver/Gold)向けが多く、最新OCP(1Z0-819/829/830)と出題範囲がズレやすいので注意。
受験実務の注意点
- 申込プラットフォームは科目・言語で異なる(英語はOracle側のOnVUE、日中語はPearson VUE管轄が多い)
- 言語:最新OCP(11/17/21)の本流は英語。日本語は旧JPN系が中心で、最新科目は英語のみのことが多い
- オンライン監督:静音環境・身分証・机上物品の制限を事前確認
- バウチャー:有効期限・再受験ポリシーをチェック
よくある質問(意思決定の基準)
Q. 11と17/21、どれが転職に強い?
- 21:最新LTSで将来性◎。新規学習なら筆頭
- 17:現場の採用ど真ん中。すぐに活かしやすい
- 11:教材資産がある人には“短期合格”の近道
Q. 英語が心配…
- コードとAPIが中心。問題文はパターン化されているので、模試の英語に慣れれば十分対処可能
Q. 旧JPN(Gold/Silver)の価値は?
- 履歴書では通じるが最新性で見劣り。これから始めるなら17 or 21一択
仕上げチェックリスト(前日〜当日)
- 模試の弱点タグを3つだけ復習 → “全部やらない”勇気
- APIの境界(
List.of
の不変/Arrays.asList
の固定長 など)を言語化 - sleep > study:本番の集中力が最強のチート
まとめ
- 迷ったら17、攻めるなら21、資産があるなら11
- 数字で逆算し、模試で暴れる。それが最短ルート。